高齢者・障害者を含む誰もが旅行を楽しめる環境整備(ユニバーサルツーリズムの推進)

2015.6.1 |

「ユニバーサルツーリズム」とは?

近年、消費行動の多様化、価値観の変化により若年層の旅行離れが進んでいると指摘されている一方で、超高齢化社会を向かえようとする現代の日本では、高齢者や障害者等への旅行市場拡大が注目されています。

ユニバーサルツーリズムとは、誰もが(障害を持った人でも)安心した旅行ができるような商品や環境、仕組みのことをいいます。

私たちは、観光庁のユニバーサルツーリズムに関する検討業務の知見・ノウハウを踏まえ、ユニバーサルツーリズムに対応した地域づくりの取組を支援します。地域特性に応じた、高齢者・障害者等の受入のための方策および旅行会社、受入拠点、障害者団体等の適切な体制について提案します。

ハードだけでなくソフトの対応により、誰もが旅行を楽しめる社会へ

高齢者や障害者等は日常生活の行動範囲が限られていますが、旅行消費単価が他の年代に比べて高く、また人口の多い世代でもあるため、高齢化が急速に進展していく中で、高齢者や障害者等の人々が安心して気軽に旅行できる環境を整備していくことは必要不可欠だと考えられます。

高齢者や障害者等の旅行環境整備ニーズへの対応にあたっては、ハード面での施設のバリアフリー整備だけではなく、ソフト面での対応もまた必要です。提供する側の独自の判断で満足してしまうのではく、提供される側それぞれの楽しみ方や一つ一つの声に耳を傾けていくことで、今後のさらなるユニバーサルツーリズムの発展が期待されます。

photo01photo02photo03

【当事者の意見・ニーズ】

多くの障害者は、健常者と同様に旅行に行きたいと考えています。一方で、自分の障害を加味して、旅行をあきらめている人も存在するのが現状です。観光庁が実施したモニターツアー参加者のうち、約60%の人は、これまで旅行を諦めていたと回答しています。

また、旅行会社が企画するバリアフリーツアーに参加した障害者へのヒアリング調査の結果では、約80%の人が旅行により“健康増進が期待できる”と回答しました。

ユニバーサルツーリズムの推進は、障害者等の旅行に行きたいという希望を叶えるものであるとともに、リラックスや生きがいの創出、ひいては健康にもつながるものと考えられます。

当事者の意見・ニーズ 聞き取りグラフ

【地域の支援団体の取組み】

障害を持った方が旅行をする上で、宿泊するホテルのバリアフリー化、お風呂などの介助、観光地でのバリアフリールートの情報提供など、観光地における支援は必要不可欠となります。

これらを支援する組織として、地域のNPO等支援団体が活躍している地域があります。こういった地域は増加しており、高齢者、障害者等の旅行に対するハードルはどんどん下がっていく可能性があります。

H25年度に観光庁では、ユニバーサルツーリズムに対応した観光地づくりに資する「受入拠点づくり」について、NPO、観光・福祉等の関係組織、自治体等の方々の参考となるよう、その意義や取組む上でのポイント、手順等についてとりまとめたマニュアルを作成しています
(URL: http://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000204.html)。

地域の支援団体の取り組み

今後の方向性と私たちの役割

ユニバーサルツーリズム促進に向けた概念図ユニバーサルツーリズムの取組みは、現状では一部の旅行事業者が専門ツアー等を実施したり、一部の地域で支援組織が積極的に活動しており、萌芽期から拡大期への転換期となっているものと考えられます。
現時点で、ユニバーサルツーリズムに対応した取組みを行う旅行事業者、地域の支援組織および地域のサービス提供者(宿泊、観光、移送、福祉等)は、その需要(潜在需要も含めた)に対して少ないものと考えられ、ユニバーサルツーリズムを促進するためには、まずは取組みを実施する事業者、組織の数的拡大を図る必要があるものと考えられます。
ユニバーサルツーリズムに関わる各関係者に取組みを正しく伝え、普及を促すことでユニバーサルツーリズムの取組みが拡大することが望まれます。